健康の入り口"

見ためファースト

見ためファースト
見ためファースト脚本家・内館牧子さんの新刊 「すぐ死ぬんだから」 が、人生100年時代の新 「終活」 小説として、いまベストセラーになっています。

読者から 「70代に向かってはつらつと生きていける気がしました。シニアも悪くないね」、「高齢者の日常がリアルに書かれており、主人公の言葉や生き方に胸のすく思いです。ファッションについても共感しました」などといった感想が寄せられています。

内館さんは週刊朝日に 「暖簾にひじ鉄」 というコラム欄をもっています。
2018年10月5日号のコラムのタイトルは “見ためファースト” でした。内館さんはコラムの中でこう書いています。
私は「どうせすぐ死ぬんだから」と自分に手をかけず、残されたもののために終活に励む高齢者を見て、こんな晩年でいいのかなァと思うことが多かった。
「どうせすぐ死ぬ」と言ったところで、人生100年時代、すぐに死ぬ保証はない。ならば、終活の手をちょっと休めて、その手を自分にかけるほうがよくはないか。
私はまずは外見、つまり見ためを磨くことが何よりも生きる力になると考えている。有名無名を問わず、生き生きと後期高齢期を生きている男女は、見ためが素敵な人が多い。
それは何も高い服や化粧品を買うということではなく「可能な範囲内」で外見に手抜きをしないということである。
外出する際は、常に他人の目を意識しているということだ。可能な範囲内で見ためを磨けば、生きる姿勢が変わる。見ためが変われば、心持ちも変わる。エンディングノートを整えるより、まずは肌を整えようと思うのではないか。


見ためファーストそこで、私は78歳の女性を主人公にした小説を書いた。
彼女はまったく自分に手をかけない女だったが、68歳の時に実年齢より「バアサン」に見られて目がさめた。以来、「見ためファースト」で生きていく。

心理学者で東北大大学院の阿部恒之教授は、スキンケアは「癒し」をもたらし、メイクアップは「励み」をもたらすと書いている。
一日の終わりに化粧水やクリームで、自分を慈しむ行為は確かに「癒し」だ。そして、メイクで自分を飾る行為は、社会と対面する「励み」だという。
私は車椅子で生活している後期高齢者女性で、外出する際はメイクも服も髪も実に美しく装う女性を複数知っている。
まさしく、社会と対面する「励み」をもたらしているのだと思う。「ネグレクト」という言葉は一般的には「育児放棄」という意味で使われるが、「セルフネグレクト」となると「自分で自分を放棄する」の意だ。
自分に関心を持たず、悪い意味で、あるがまま。「すぐに死ぬんだから」はセルフネグレクトの入り口だろう。
週刊朝日で「ヘルプマン!」を連載中のくさか里樹さんがこれを痛快な漫画版にしてくれたそうです。(WEBコミックトム)

配信 Willmake143