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なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか?

なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか?
なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか?2018年5月8日に “「つながり」と健康格差” というポプラ新書が出版されました。“なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか”は、その新書のサブタイトルです。著者は、東京大学高齢社会総合研究機構の村山洋史先生です。

イギリスでは、2018年1月に「孤独担当大臣」というポジションが新設されました。
つながりの少なさがイギリスの国家経済に与える損失は約4.9兆円に上ると試算され、もはや個人の問題では済まされない、国を挙げて取組む必要があると決断したようです。
「つながり」は健康に重大な影響を持ち、健康格差を引き起こします。これは多くの研究によって科学的に裏打ちされた事実ですと本書の初めに書いてありました。

TEDトークの中で、これまでに2000万回以上(2018年3月末時点)再生された有名なトークがあります。
ハーバード大学のロバート・ウォールディンガ―教授による 「人生を幸せにするのは何?最も長期にわたる幸福の研究から」 というタイトルのこのトークは、1938年から80年近く続いているハーバード成人発達研究の成果に基づいていて、なされたそうです。
この研究から導き出されたのは、良い人生を決めるのは、お金でも名声でもない。良い人間関係が人を健康にし、幸せにする。これが研究者らが導いた答えだったと書いてありました。
そして次の3つの教訓を紹介しています。

1.社会的なつながりは有益であり、一方で孤独は命取りになる
  家族や友人とのつながりの多い人は、少ない人に比べて幸せを感じやすく、健康で、長生きだった。
  一方、孤独を感じている人は、中年期から健康問題を抱え、認知機能も低下しやすく、長生きできなかった。
2.大切なのはつながりの数や有無ではなく、その質である
  良い人間関係を持っていることは、加齢や病気による様々な影響を和らげてくれる。例え高齢になって
  体の痛みを持っていたとしても、良好なつながりを持っている人は毎日を幸せに感じている。
3.良い関係性は体だけでなく脳も守ってくれる
  他者と親密な関係性を持っている人は、そうでない人に比べて、80歳になっても記憶力が低下しにくい。
  また相手を信頼できていることも重要。



なぜ夫と別れても妻は変わらず健康なのか?男性は、定年退職後に人間関係が一気に希薄化してしまう傾向があります。
そんな中、頼みの綱である妻と別れてしまっては、周りの助けを得ることもできず、実際の生活は立ち行かなくなる危険があります。
かたや女性は、友人とのつながりや地域を通じたつながりが比較的強く、死別や離別によって女性のソーシャルネットワークの量自体はあまり影響を受けないといわれています。
夫と別れた後も、変わらず人とのつながりを持てていることで、必要な時にサポートを得られることも多く、また気晴らしや楽しみを見つけるチャンスも多い。
こういった特徴が、死別や離別のマイナス影響を緩和しているのです。
本書は、「つながりが健康にとどういう影響を持つのか」という点について、できるだけやさしく、しかし科学的根拠に基づいて解説されているおすすめの本です。

配信 Willmake143