健康の入り口"

人生100年時代のごはん

人生100年時代のごはん
人生100年時代のごはん寝たきりや認知症などにならずに長生きする 「健康寿命」 は食生活が鍵を握ります。元気で100歳を迎える人たちは一体何を、どんなふうに食べているかをテーマにした3回連続シリーズをサンデー毎日が2018年3月4日号から始めました。
昨秋の厚生労働省の発表によると、100歳以上の人は6万7824人と過去最多を更新しました。10年前の約2倍、20年前の約8倍と増え続けています。
人生100年時代のささやかな願いは、健やかに暮らし、日々のごはんをおいしく食べることでしょう。
100歳を迎えた高齢者を “百寿者” と呼び、その食生活や運動などを研究している国立長寿医療研究センター副院長・荒井秀典医師は、「100歳まで年齢を重ねると、どうしても食は細くなりがち。食べる量は、往年を100として80ぐらいまで減ったとしても、質が高くて中身の濃いものを。そしてバラエティーに富んだものを食べることが大切」 と話しています。

超高齢者の食事といえば従来、白身魚や乾物、野菜の煮しめなど、歯がなくても食べられるあっさりしたものでした。しかし、最近では高齢者にこそ “肉食” を推奨する専門家もいます。
ならばリアルな100歳は何を食べているのか。長寿研究者たちが最も興味を持っていたのが、聖路加国際病院名誉院長・日野原重明先生の生前の食についてでした。
日野原先生の 「百歳ごはん」 の内容を教えてくれたのは、十数年前から同居し、日野原先生の食事の献立を考え、調理してきた次男の妻の眞紀さんです。日野原先生が100歳の時の、ある日の夕食メニュー。
メインディッシュは牛ヒレステーキ130グラム。熱したオリーブオイルでガーリックを焼き、香りをつけたところで、牛ヒレ肉の両面をこんがりと焼く。醤油と赤ワインで調味して熱々を盛りつけ。
サイドメニューには、焼き茄子、玉ねぎのソテー。生野菜は小さなボウル1杯分。これが、本当に100歳の夕食なのだろうか?

「ええ義父は、肉が好きでした。牛ヒレ肉をステーキにしたら、100〜130グラムはぺろりと食べてくれました。そして生野菜サラダも必ず。戦前から西洋式の食生活になじんでいたようで、生野菜をぽりぽりとおいしそうにいただいていましたね。米飯はあまり食べなくて、せいぜい小さなお茶碗3分の1か半膳でした」
と真紀さんはいっています。



人生100年時代のごはん荒井先生は、「日野原先生は肉が中心でいらしたのですね。脂肪が少ないヒレをオリーブオイルで焼いて・・・・など、上質なたんぱく質の取り方がさすがです。米飯などの炭水化物をあまり召し上がらないのは、長年の先生ご自身の習慣だったのでしょう。そのほうが胃腸もすっきりしたのかもしれません。一般の人なら、ここに白米を加えると、とてもバランスがいいですね」
と解説していました。そして、最期が近づいた日野原先生のある日のメニューをみて、荒井先生はこう述べています。
「われわれはどうしても、患者さんや長寿者の安全のためにと、軟らかいものを出しがちです。とろみのついたもの、ソフト食は、嚥下能力が落ちた人には必要なものですが、噛んで咀嚼する力がある人には、かえってまだ備わっている能力を奪いかねません。
そういったことも、日野原先生はご存知だったのではないでしょうか」。

配信 Willmake143